フィカス
フィカスは世界の温帯から熱帯に800種以上が分布するクワ科の植物です。常緑性、落葉性、低木、高木、つる性など、さまざまな形態で生育し、日本でもつる性のオオイタビ(F. pumila)や落葉低木のイヌビワ(F. erecta)などが自生しています。
この属の植物のうち、天然ゴムの原料を採取できる樹木を総称してゴムの木といいます。観葉植物として流通しているゴムの木の多くはエラスティカ(F. elastica)と呼ばれる種を改良したもので、ルビーやティネケ、ブルガンディ(バーガンディ)、ロブスターなどの品種があります。
エラスティカの近縁種となるベンジャミン(F. benjamin)やウンベラータ(F. umbellata)、ベンガレンシス(F. benghalensis)、アルテシマ(F. altissima)、レイラータ(F. lyrata)などもゴムの木に含まれます。
ゴムの木は総じて強健で育てやすいのが特徴です。室内では高さ2m程度まで伸びてよく枝分かれし、あまり剪定せずに育てると細く背の高い姿になり、上の方の枝を剪定すると横にボリュームが出て樹木のような姿になります。好みに合わせて形を整えるのもおもしろいでしょう。
ゴムの木の樹液は直接触れると体質によってはかぶれや炎症を引き起こす場合があるため、剪定時には注意が必要です。
属名のFicusにはラテン語で「イチジク」という意味があります。フルーツのイチジクもこの属に該当し、落葉高木のFicus caricaという種から採れる果実が食用として用いられています。
フィカスの種類
フィカス アルテシマ
アルテシマ(F. altissima)は東南アジアの熱帯雨林が原産で、暖地では庭の装飾にも使用される常緑の樹木です。自然界では小さいうちは着生植物として他の樹木などに掴まって生育し、やがて気根が地面に到達すると、根を張って独立できるようになります。

イエロージェム
フィカス エラスティカ
エラスティカ(F. elastica)は、厚く光沢のある楕円形の葉を持つ常緑高木です。ヒマラヤからマレーシア、スマトラ、ジャワに自生し、自然界では高さ15~30mにまで達します。新芽は赤い皮に包まれていて、成長とともに皮を破って新しい葉が顔を出します。観葉植物として流通しているゴムの木の中でも代表的な種で、葉色の異なるさまざまな園芸品種が存在します。別名インドゴムの木。

ティネケ

ルビー

ブルガンディ

ロブスター
フィカス ウンベラータ

ウンベラータ(F. umbellata)は西アフリカ原産の常緑小高木です。低地の熱帯雨林や川沿いの林に自生し、樹高は10m以上に達します。原産地では日除けのために植栽したり、果実を食用にしたりもされています。白肌の幹に艶のある大きなハート型の葉を付け、縁が緩やかに波打ち、はっきりとした葉脈が目立ちます。種小名のumbellataはラテン語で「日傘」という意味のumbellaが語源。

ウンベラータ
フィカス トリアングラリス
トリアングラリス(F. triangularis)は南アフリカに原生するクワ科の木本植物です。ナタレンシス(Ficus natalensis ssp. leprieurii)という名前で出回っていることもあります。流通量が少なく、店頭ではあまり見かけない珍しい種です。樹皮はウガンダ発祥の樹皮布・バーククロスの原料に用いられ、職人の手によってバッグや財布などに加工されています。トリアングラリスという種小名が指すように、特徴的な逆三角形の葉を持ち、表面にはワックスを塗ったような光沢があります。

バリエガータ
フィカス ベンガレンシス
ベンガレンシス(F. benghalensis)は、形のよい楕円形の葉と白い幹が特徴の常緑高木です。野生では他の樹木に巻き付くように成長し、宿主を窒息させて絞め殺す性質があります。枝から出る気根は垂れ下がって地面まで達し、土に触れた所から根を生やしてやがて高さ30mを超える幹に成長します。このようにしてもともと生えていた場所から範囲を広げ、1本の樹木から大きな茂みを形成します。インドでは神聖視されており、自生地の近くに寺院が立てられることが多いそうです。

ベンガレンシス
フィカス ベンジャミン
ベンジャミン(F. benjamin)もしくはベンジャミナ(F. benjamina)は非耐寒性の常緑広葉樹です。強い日差しに耐えるため熱帯地域では公園や道路に街路樹として植えられています。枝が優雅に垂れ下がり、葉姿がガジュマルに似ているため、和名ではシダレガジュマルと呼ばれています。

スターライト

ゴールデンキング

シタシオン
フィカス プミラ
プミラ(F. pumila)はタイ、中国、韓国など東アジアの森林地帯を原産とする常緑つる性植物です。18世紀初頭から家庭で栽培されるようになり、枝から細い根を生やして吸盤状にくっつくことから周りに花を編み込んで装飾品として利用されてきた歴史があります。観葉植物として一般に栽培されているホワイトサニーは斑入りの矮性品種で、直径3cmほどの小さな楕円形の葉に白い覆輪が入るのが特徴です。同じクワ科のイタビという植物に似ていて、野生では大型に育つことからオオイタビという和名がついています。

ホワイトサニー
フィカス レイラータ
レイラータ(F. lyrata)もしくはリラータはカメルーン、シエラレオネなど西アフリカが原産の常緑高木です。熱帯雨林に生育し、野生では高さ12~15mまで大きくなります。縁が波打つ幅広の大きな葉が特徴で、葉姿が柏の葉に似ているためカシワバゴムノキとも呼ばれています。

レイラータ
育て方
水やり
春から秋の生育期には土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。冬は活動が鈍るため水やりの回数を減らしてください。乾燥や害虫の発生を防止するため定期的に霧吹きで葉水もしましょう。
置き場所
年間を通して日当たりのよい場所で育てます。ただし夏場の強烈な直射日光に当てると葉焼けを起こす可能性があるため、屋外で育てる場合は半日陰に移すか遮光が必要です。気温が10℃を下回るようになったら室内に取り込み、冬は最低5℃以上を保って明るく風通しのよい場所で育ててください。この属の植物は急激な温度や湿度、光量の変化に敏感で、鉢を移動させる際に葉を落とすことがあります。葉が落ちても環境に適した新しい葉が再び生えてくるので心配いりませんが、置き場所を決めたらなるべく動かさずに育てましょう。
肥料
春から秋の生育期に10日に1回程度、規定通り希釈した液体肥料を与えます。







